各地区さまざま 汐取り祭り

2011年10月21日

 神埼市デジタルミュージアム かんざき@NAVI at 17:15 | Comments(0) | お祭り
9月11日~12日にかけて、神埼町・千代田町の各地区で行われた、汐取り祭りの取材に伺いました。
各地区の汐取り祭り


汐取り祭りの由来と概要


八朔(旧暦8月1日)、210日、220日(9月12日)は天候が悪くなる農家の三大厄日とされてきました。
そこで、中地江川沿線、城原川沿線の地区で、台風や災害が起こらないように祈願するお祭り(しぇー取り祭り、天狗祭りなど、各地区で様々な呼び名があります)が行なわれてきました。
市内では、姉川、大門、乙南里、嘉納、用作、東野ヶ里、犬童など、各地区でお祭りが行なわれています。

参考:御幣に神様を乗せて 姉川地区汐取り祭り


各地区それぞれ行われていますが、おおまかな流れは、

1.御神体から御幣(※1)に神様を移す「神降ろし」の神事
2.汐と川の水が交わるあたりまで練り歩き、すくった汐で、神様と氏子の禊をする。
3.地区のお堂に戻り、神様を元の場所に戻す「神上げ」の神事
4.直会(なおらい)

と、いう流れで、各地区共通しています。
※1 御幣:2本の紙垂を、竹や木の串に挟んだもの。
各地区の汐取り祭り

ただ例外もあり、大門地区では、皆さんで川辺に行かれて神事を行い、その後公民館に移動して直会をされていました。
各地区の汐取り祭り

神降ろしの神事


各地区での神降ろしの神事の様子をご紹介します。

基本的な流れは共通していて、祝詞の奏上、玉串奉奠が行われた後、御幣に神様を移されます。
この場合は、御幣が、神様を乗せる神輿の代わりとなります。

犬童地区
各地区の汐取り祭り

東野ヶ里地区
各地区の汐取り祭り

汐取り


集まった氏子さん達は、城原川や中地江川を、汐と川の水が交わるあたりまで下ります。
この時、先頭を歩くのは、赤と黒(青の場合も)の対の天狗面。
天狗面は、猿田彦さん(神輿の先を露払いをしていく役目)を表すようです。

犬童地区
各地区の汐取り祭り

乙南里地区では、早朝、日の出前に汐取りが行われ、子ども達(男児のみ)も参加していました。
お話を伺うと、以前は乳飲み子から、中学生までが参加していたようです。
各地区の汐取り祭り

一方、東野ヶ里地区では、慣例で、御幣を持つのは最年長者とする決まりがあるようでした。
各地区の汐取り祭り

神様と氏子さんの禊を行います。
榊や柴ですくった汐水を、御幣、天狗面、氏子さんに振り掛け、一年のけがれを落とします。
これは、相撲で、土俵に塩をまくのと同じような意味だそうです。

犬童地区
各地区の汐取り祭り
各地区の汐取り祭り

乙南里地区
各地区の汐取り祭り

用作地区
各地区の汐取り祭り

神上げの神事と直会


汐取りが終わると、それぞれの地区の神社やお堂に戻り、神様を元の場所に戻す、神上げの神事が行われました。
神降ろしと同様、祝詞の奏上、玉串奉奠が行われます。

神事の後には、お神酒びらきや、直会が行われた地区が多かったようです。

乙南里地区
各地区の汐取り祭り

用作地区では、昔から直会の時に、水芋の胡麻和えを食べる習慣があった事から、このお祭りを「水芋祭り」と呼ぶそうです。
水芋の胡麻和え。しゃきしゃきと歯ごたえがあり大変おいしいです。
各地区の汐取り祭り
各地区の汐取り祭り

各地区、それぞれの違いがあり、大変興味深い取材となりました。
取材へのご協力ありがとうございました!


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