和尚さんを招いて 大石地区のお日待ち
2012年02月16日
神埼市デジタルミュージアム かんざき@NAVI at 17:05 | Comments(0) | 行事
11月20日、千代田の大石地区で行われた、お日待ちにお邪魔してきました。


初めての
お日待ちは太陽の恵みに感謝し、五穀豊穣を願うという行事です。
このお日待ち、本来は15日に行われていたそうですが、現在では参加者が来やすいようにと、近い日曜日に行うようになったそうです。
宮司さんは呼ばず、地元の方だけで行われることが多いのですが、ここ大石地区では、和尚さんを呼び、お経をあげていただくようで、今まで取材した地区にはない珍しい形をとられています。
準備
お日待ちの式自体は、蝋燭と線香を立てる香炉を準備するだけなのですが、

お母さん方はその後の直会の準備で大忙し。
「特に決まった料理はなく、いつもの簡単な物しか作らないよ。」と言うことだったのですが、

レンコン、ゴボウ、コンニャク、おばやき(皮鯨)を甘辛く煮たり、

大量のおにぎりなど、しっかりと作られていました。

いつも思うことですが、お母さん方の頑張りには頭が下がります。
できるだけこのまま続けていっていただきたいと思います。
しかし、一方で、その負担を少しでも軽くしようと、直会は、お弁当を頼んで、多くの人が行事に参加できるように工夫されている地区も多くなってきているようです。
少々寂しい感じもしますが、時代の流れなのでしょうか。
さて、料理が完成したようです。


お日待ち
お日待ちが始まりました。

和尚さんがお経をあげられます。
暫くお経を聞いていると、「五穀豊穣」「部落繁栄を願い」といった言葉が聞こえてきました。
あまりこういった場面でお経を聞くことがなかったので、とても新鮮に感じることができました。

直会
式が済むと、直会が始まりました。
先ほどお母さん方が一生懸命準備された料理もテーブルに並んでいます。

今回、乾杯の際に使われている御神酒は、8月に行われた綾部詣りの時に綾部神社でお払いを受け、持ち帰ってきたものだそうです。
この直会は、綾部詣りの御神酒開きも兼ねているようです。
以前ご紹介した、理趣分さんの記事でも触れたのですが、江戸時代、東大石は蓮池藩、西大石は鍋島本藩と別れていました。
参考:『和尚による厄払い 大石の理趣分さん』
その頃は、東西それぞれの地区で、お日待ちが行われていたそうです。
東は、施主宅で。
西は、お宮に青年団が泊まって、一晩中飲み食いをしていたといった違いがあったようです。
東西一緒になってからは公民館を使って、今の形で行われているようです。
「今は一日しかしないけど、昔は、15日の夜に餅をつき、翌朝に鏡餅を供えて日の出に拝んでいた。」と、参加者の一人は言われていました。
取材協力ありがとうございました。