暗号解読?中々難しい文字たち

2011年03月04日

 神埼市デジタルミュージアム かんざき@NAVI at 16:10 | Comments(2) | 調査

石造物調査のこと


神埼市デジタルミュージアム準備室では、神埼市内の文化遺産調査として、石造物なども調査しています。
写真を撮ったり、大きさ・材質・彫られている文字などを記録にまとめたり、調査内容は様々です。

集められて祀られている石造物たち


さて、少し前のことですが、千代田町でこのようなものを調査しました。
暗号解読?中々難しい文字たち
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ひとつの基壇の上に、3体の石造物が祀られています。
石造物は、河川改修や圃場整備などによって一ヶ所にまとめらている場合も多く、このように集められて祀ってあるものも珍しくありません。

さて、この3体ですが、どのようなものだと思われますか?
ちょっとズームしてみます。
暗号解読?中々難しい文字たち
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右のものには「稲荷大明神」と彫られており、お稲荷様・お稲荷さんと親しまれている稲荷神を祀ったものと分かります。

次に、中央のものには「天満大自在天神」、「天照皇太神」、「英彦山大権現」の3体の神様が祀られているようです。
こういった、3神が祀られているものを三社(さんじゃ)などと呼んでいます。

では、一番左のものはどうでしょう…?おそらく漢字3文字が書かれているのだろうとは予測できますが、何やら暗号のようにも見えます。
暗号解読?中々難しい文字たち
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実はこれ、私たちも解読できませんでしたgawk
そこで、スタッフのツテで県立博物館の学芸員の方にご相談したところ、なんと「辨財天(弁財天)」と彫られているとのこと。
確かに言われてみれば…真ん中の文字は「財」のようですし、下の文字も「天」に見えてくるから不思議です。

こちらの弁財天の右面には、年代と建てた方の銘が入っていました。
暗号解読?中々難しい文字たち
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「文政十三年寅
十一月
種記建之」

文政13年11月に、種記という方が建てたもののようです。

文政13年11月と言えば、今の西暦で1830年12月になりますので、今から180年ほど前ですね!
また、寅は干支を表したものです。

ちなみに文政は13年12月10日までで、その後は天保に改号されます。
もしかしたら、これを建てた方にも何か節目のようなことが、あったのかも知れないですね。flair


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この記事へのコメント
とてもおもしろいです。
1830年12月確かに天保への改元が行われてますね。
当時は、大旅行ブームで500万人が旅行(伊勢参り)するような時代だったようですので、個人レベルでは信仰面や経済的に余裕があったのでしょうね。
wikiによれば、佐賀では、鍋島直正が父の隠居の後を受け17歳で第10代藩主に襲封した年で、財政破綻の藩政にとりかかった年だそうです。
日頃なにも気にせず通り過ぎている石造から当時の作った人々を想像するといろいろと発見できますね。
地元の学校の自由研究に取り入れてもらいたいものです。
Posted by よねりん at 2011年03月06日 06:36
よねりんさん
コメントありがとうございます!
私も記事を書きながらwikiなどを読んだのですが、当時の旅行事情で500万人規模(当時日本の人口3200万位)のお伊勢参りがあったとは…普段知ることの出来ない貴重な歴史だと思います。
神埼からも参られた方がきっと居ると思うのですが…そういった情報が見つかることを楽しみにしています^^
Posted by 神埼市デジタルミュージアム準備室神埼市デジタルミュージアム準備室 at 2011年03月07日 10:23
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